大平山
現場の近くに大平山てのがあって、現場に行く途中にアイーダに聞いた話。

恐い話だよ。



登場人物は、俺の同僚のいろいろ食べ物をくれたりするアイーダ、アイーダのおねえちゃん(妊娠中)、彼女が当時つきあっていた彼氏。

アイーダはそのころ、親や学校では手におえない児童のための全寮制の学園にいたの。
その帰省期間に、おねえちゃんと彼氏の3人で大平山に遊びに行ったの。
その帰り道、鳥居を通ったところでトランクの中で何かがぶつかった音がしたので、車を停めて中を調べたんだけど、毛布が入っていただけだったの。

そのまま走っていたら、栃木街道の東京インテリアの前で、いきなり3人同時に金縛りにあって、車がスピンしたの。夜中だったんで交通量が少なかったから、さいわい大きな事故にならなかったけど。それでもそのまま金縛りの状態が続いていたんで、どうしようかと思っていたら、後ろから来ていた車に知らない夫婦が乗っていたんだけど、旦那のほうが心配して降りてきてくれたんだって。

それで体は動かなかったんだけどしゃべることは出来たんで、「大平山に行ってこれこれこうで」って説明して、金縛りにあって困っているって言ったら、その夫婦も同じ町内に住んでいた人だったんで、危ないからって旦那のほうが運転を代わってくれて、なんとか帰宅できたんだって。

後日、アイーダが学園に戻ってたら「おねえちゃん(妊娠中)が大変」って連絡が入って、帰宅許可をもらって急いで帰ったんだって。
そしたら家の前に、救急車のほかにパトカーが5台も停まっていて、おねえちゃんは腹を押さえて泣きながら病院に運ばれていき、彼氏は警官に体をぐるぐる巻きにされて、警察に連行されて行ったんだって。
彼氏が暴れて、救急隊では手がつけられないんで警察を呼んだらしい。

彼氏は気が狂ってしまって、まるっきり女の口調で『私の子供じゃない!私の子供じゃない!』って叫びながら、妊娠していたおねえちゃんの腹を蹴りまくったんだって。声色も女みたいな声を発していたんだって。

けっきょくかわいそうに、おねえちゃんは流産してしまい、彼氏のほうは岡本台病院に入院させられたって。

大平山の展望台で撮った写真を見たら、おねえちゃんが真ん中で両脇に彼氏とアイーダが写っているんだけど、車の↑に女の顔、とくに白目だけの目元がはっきりと写っていて、両手を伸ばして彼氏とアイーダの頭を掴んでいたんだって。
『写真くれ』って聞いたら『お祓いしちゃった』って言ってた。
by 15kin | 2007-05-17 17:48 | 妖怪
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花を咲かせるのに言葉はいらない

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